仏像を訪ねて(2) 興福寺北円堂 無著菩薩立像、世親菩薩立像

春・秋のみ期間限定開扉の西国三十三所草創1300年記念 北円堂特別公開(4/21(土)~5/6(日))へ行ってきました。

北円堂諸像は、治承4年(1180)の南都焼討後に運慶一門によって再興されました。
本尊である弥勒如来坐像は、弥勒菩薩が56億7千万年後に成仏した姿といわれています。
中でも無著菩薩立像、世親菩薩立像は日本肖像彫刻史上の再興傑作といわれています。二体一組で対照的な表現を示しており、老年の無著は裂で包んだ箱を抱いて優しく人々を見守っておられ、弟の世親は壮年で遠方を見つめる意志の強い姿を表されています。
そして、玉眼による目の表情はとても豊かです。
無著の眼差しは一切の存在は心のつくり出した仮のものと説く法相宗の孤高で崇高な精神を表しており、世親の眼差しは、優しく憂いを含んでおり永遠の中にある真理を見つめています。
像高は、無著菩薩立像:194.7cm、世親菩薩立像:191.6cmと、見上げるほどの高さで量感に富んでいます。
円堂ということもあり360°から見ることができます。
春の公開は5/6(日)で終了してしまいますので、ぜひこの機会に実際にご覧頂けたらと思います。

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