如来とは

悟りを開いた者のことを意味する。
螺髪と呼ばれるパンチパーマのような頭髪をしている。苦行の末に悟りを開いた釈迦がモデルのため、衲衣(のうえ)と呼ばれる粗末な衣一枚のみをまとっている。質素なお姿は如来に共通した特徴である。

釈迦について

紀元前5世紀前後、インド北部の小国で釈迦族の王子として誕生した。名前は、ゴータマ・シッダルタという。
裕福な環境で育つが悩み苦しむ人々を救うにはどうすればいいかを考え、地位や財産を捨て出家した。その後、厳しい修行を経て、悟りを開いた。80歳で生涯を閉じるまでの45年間、どうすれば苦しみから逃れるのかを説法し続けた。

釈迦は、三十二相八十種好(仏の優れた身体的特徴をまとめた三十二の特徴、細かくは八十の特徴)といわれ、これらを参考にして釈迦の像が造られた。

三十二相とは

 足下安平立相(そくげあんぴょうりゅうそう)  足裏が平らで歩くときに池面に密着する
 足下二輪相(そくげにりんそう)  足裏に輪の模様がある
 長指相(ちょうしそう)  手足が長くて繊細
 足銀広平相(そくげんこうびょうそう)  足のかかとが広い
 手足指縵網相(しゅそくしまんもうそう)  手足の指の間にある水かきのような膜
 手足柔軟相(しゅそくにゅうなんそう)  手足が柔らかく色が赤色
 足趺高満相(そくふこうまんそう)  足の甲が厚く盛り上がっている
 伊泥延腨相(いでいえんせんそう)  足のふくらはぎが鹿のように細くしなやか
 正立手摩膝相(しょうりゅうしゅましっそう)  直立したとき両手が膝に届くほど長い
 陰蔵相(おんぞうそう)  陰部が体内に隠れている
 身広長等相(しんこうじょうとうそう)  身長と両手を広げた長さが等しい
 毛上向相(もうじょうこうそう)  体毛が上になびき、右に巻いている
 一一孔一毛生相(いちいちくいちもうしょうそう)  毛穴には全て毛が生え、毛の色は青瑠璃色
 金色相(こんじきそう)  身体が金色に輝いている
 丈光相(じょうこうそう)  身体から四方に光明を放つ。後光のことで光背はこれを表したもの
 細薄皮相(さいはくひそう)  皮膚が薄く不浄をとどめない
 七処隆満相(しちしょりゅうまんそう)  両手、両足、両肩、うなじの7カ所の肉が円満で浄らか
 両腋下隆満相(りょうやくげりゅうまんそう)  両腋の下にも肉がつき凹みがない
 上身如獅子相(じょうしんにょししそう)  獅子王のように威厳のある上半身
 大直身相(だいじきしんそう)  身体が広大端正
 肩円満相(けんえんまんそう)  両肩の層が丸く豊か
 四十歯相(しじゅうしそう)  歯が40本あり白くきれい
 歯斉相(しさいそう)  歯の大きさが同じで歯並びがいい
 牙白相(げびゃくそう)  40本の歯の他に、白く大きな四牙を持つ
 獅子頬相(ししきょうそう)  両頬が獅子のように盛り上がっている
 味中得上味相(みちゅうとくじょうみそう)  何を食べても最上の味を味わえる
 大舌相(だいぜつそう)  舌が髪の生え際に届くほど長く大きい
 梵声相(ぼんじょうそう)  清浄な声をしている
 真青眼相(しんしょうげんそう)  青い眼をしている
 牛眼睫相(ぎゅうごんしょうそう)  まつげが牛のように長い
 頂髻相(ちょうけいそう)  頭のてっぺんが盛り上がっている
 白毫相(びゃくごうそう)  眉間にある白い毛の渦で光明を放つ

如来グループの仏像の種類

釈迦如来、阿弥陀如来、薬師如来、毘盧舎那如来、大日如来など

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